「一瞬で心をつかむできる人の文章術―1日たった15分10日間で上達!」の8日目です。
「ストーリー仕立てで書く」テクニック8日目:喜怒哀楽を表現してみる
その場面を細かく書くか、さらっと流すかの基準はどこにあるのでしょうか。
じつは、ポイントは喜怒哀楽にあります。
(中略)
感情があふれたりしぼんだりしたときを細かく描写します。
それ以外の部分はさらっと流すのです。
課題では、
「ムカついた瞬間を細かく描写してみてください」
とありましたが、ここ最近でムカついた記憶が思い出せないため、
「楽しかった瞬間(喜怒哀楽の「楽」)」を書いてみます。
日本一の図書館
「楽しくて仕方がない!」。
心からそう思える瞬間は、人生でどのくらいの割合を占めているのだろうか。
あくまでも推測だが、起きている時間の半分以上、「楽しくて仕方がない!」という人は、少数派ではないだろうか。
そもそも、毎日・毎分「楽しくて仕方がない!」と思えれば幸せなのかと言えば、そうでもないような気もする。
楽しさに慣れてしまい、楽しくない時間に耐えられない体質になってしまえば、それはそれで不幸なことのように思えるからだ。
私にとっての「楽しくて仕方がない!」と思える瞬間は、
・大きな書店や図書館で、興味のある本をかたっぱしから読む
・手入れの行き届いた森林や、大きな川の土手を散歩する
・まっすぐに伸びた広い道路や並木道を、自転車で突っ走る
・気心の知れた友人や知人と食事をする
・再生エネルギーの記事や特集を読む
・仕事で成果が出る
・中古住宅を調べる
・文章を書く
・旅に出る
上記のような行動をしている時だ。
この中から、「図書館で本をかたっぱしから読む」をとりあげてみる。
先日、国会図書館に行く機会があった。
大きな図書館に行く、そう考えるだけでも幸せな気分になってしまう。
我ながら、単純な性格である。
さて、開館直後に入館したかったので、前日は日付の変わる前に眠りについた。
しかし、目が覚めたのは予定より1時間も後だった。
どうやら気づかないうちに、目覚まし時計を止めてしまったようだ。
気を取り直して、朝食を素早く済ませる。
家を出て、駅に向かう。
自宅の最寄駅から国会図書館までは、電車で片道約1時間。
近いとは言えない距離だが、どんな本でも読むことができる魔法の場所に行くための手間と思えば、大した問題ではない。
電車内は、混んではいないが座席は埋まっている、という状況である。
移動時間に読もうと持ってきていた、電子書籍リーダーに電源を入れる。
が、どうやら電池切れのようで、使い物にならない。しくじった。
まぁ、どうせこれから山のように本を読むのだから、今のうちは目を休めておこう。
そう思い、電子書籍リーダーをバッグに戻す。
車窓に視線を移すと、ベッドタウンの住宅群が目に飛び込んできた。
高層マンションが立ち並ぶ都心よりも、二階建てや平屋が肩を寄せ合っている郊外の方が、私にとっては心休まる景色だ。
ぼんやりしているうちに、電車は川を越える。
乗り換えの駅が近づいてきた。
電車を乗り換えて数駅。国会図書館の最寄駅に到着した。
地上に出て、周囲を見渡す。
国会図書館に来るのは何年ぶりだろうか。
どの方向に歩いていけばいいのかも忘れてしまった。
案内地図を見て方向を確かめ、図書館に向けて歩きはじめる。
イチョウ並木から歩道に落ちたギンナンの匂いが、周囲を満たしている。
良い匂いとはいいがたいが、「これが秋の匂いだ。」と自分に言い聞かせ、歩き続けること約10分、図書館の玄関に到着した。
「そういえば、荷物をロッカーに預けなければいけないんだったな。」
国会図書館では盗難防止のため、荷物の館内持ち込みが制限されている。
ノートや筆記用具など持ち込むものは備え付けの透明ビニール袋に入れ、カバンなどはロッカーに預けなければいけない。
荷物の準備を終え、入口に向かう。
カードリーダーに入館証をかざし、ついに館内に入る。
相変わらず、古臭い建物である。
これはこれで、趣き(オモムキ)がある、と呼ぶべきだろう。
資料の搬入が年中あるためか、休館にして改装をおこなう余裕が無いのかもしれない。
さてと、今日は20冊は読んでやるぞ!
控えてきた本のタイトルを検索端末に入力し始める。
雑感
感情を表現することは結構難しいですが、前後の状況を細かく描写することで、感情の動きを表すことができるということが分かりました。
実際の所、国会図書館には
・資料取り寄せに30分くらい掛かる
・一度に3冊しか取り寄せられない
・3冊を借りている間は、他の本を取り寄せることもできない
というデメリットがあります。
「次々とかたっぱしから読む」
という行為からは程遠いストレス環境です。
さらに、ジュンク堂などの大型書店の方が、店内はキレイです。
居心地は圧倒的に劣ります。
それでも、「確実に探している本を読むことはできる」という点は、見落とせないメリットです。
次の練習テーマは「自分のメッセージを挿入して書いてみる」です。