「Sigil」を使って電子書籍(ePub)を作ってみた感想

kindle
Amazonの電子書籍・kindle向けにepubを勉強し始めました(今さら)。
いろんな先人のサイトを参考にしたものの、つまづいた点がいっぱい(つまづきっぱなしで放置の点も)あったので、メモしておきます。

【条件】縦書き、画像入り、目次自動生成

「やっぱ日本語で読むなら、縦書きっしょ!」
という事で、縦書きで作りたいと思いました。

作ろうとしている書籍が、分類で言うといわゆる「ハウツー本」になるので、画像は必須です。

目次も、見出しから自動的に作れるのがラクちんでいいです。

【結論】最初から「Sigil(シギル)」で作れば良かった

「MS Word(ワード)」、「でんでんコンバータ」、「Sigil」という三種類の方法を試しました。

最初の二種類の方法(「MS Word」、「でんでんコンバータ」)では自分のやりたかったことを実現できなかったため、最終的に「Sigil」で作りました。

もしかしたら、もう少し調査&試行錯誤を続けていれば突破できた問題かもしれません。
諦めが肝心、と自分に言い聞かせております。

1)「MS Word(ワード)」で挫折

「MS Word(ワード)」でも縦書きで電子書籍を作れるというサイトを見たので、そちらを参考に作り始めました。

しかしながら、手持ちのiPadやiPodTouchでの実機確認ができなかったために、Wordは諦め、違う方法を探すことにしました。

実機確認するには、

  • [A] 「Word」で作った原稿を「.htm」ファイルで書き出し、
  • [B] 「Kindle Direct Publishing(以下KDP)」にWordで作った「.htm」ファイルをアップし、
  • [C] 「KDP」で変換された「.mobi」ファイルをダウンロードし、
  • [D] 「Kindle Previewer(キンドルプレビュア)」というソフトで、「.azk」ファイルへの変換を行い、
  • [E] 「.azk」ファイルを「iTunes」経由で、iPad等へ送る。

と言う、なんとも頭がこんがらがりそうで、面倒な手順を取ります。

私のケースでは、上記[D]の「.azk」ファイルへの変換がどうもうまく行きませんでした。

「Kindleプレビュアは本の変換に失敗しました」

というメッセージが出てしまいます。

epubファイルのファイル名を英語にしても、
ファイルの保存パスを「C:test」とか日本語が入らないようにしても、
ダメでした。

実機確認できないものを人に売るわけにはいきません。

2)「でんでんコンバータ」でも挫折

Wordの次に試したのは、「でんでんコンバータ」です。

ソフトというよりは、Webアプリという趣きです。

  • 表紙画像
  • 原稿テキスト
  • 挿入したい画像

を「でんでんコンバータ」のサイト上にまとめてアップロードする事で、epubファイルを作成してくれるという、スグレモノです。

しかしこちらでは、
・2段階以上の目次に対応していない
・目次の字下げを解除する方法が分からない

という点があり、撤退する事にしました。

2.5)「epub」を少しお勉強

「epub」形式についてもう少し勉強したほうがいいんじゃないか?
という思いに至り、少し調べてみました。

どうやら「epub」は、HTMLと似たようなものみたいです。
タグでいろいろ動作を指定できます。

ファイルの中身は、「.epub」という拡張子を「.zip」に変更して、普通に解凍ソフトで溶かせば出てきます。
中の原稿テキストも、エディタで閲覧・編集可能と分かりました。

3)「Sigil」でもまた挫折しそうになるも、強引に突破

なんと読むんでしょうね。
勝手に「シギル」って呼んでます。

とにかく、この「Sigil」はepub版の「Homepage Builder(ホームページビルダー)」みたいなものです。
(Dream Weaverと呼ぶ程、高機能ではない感じ)
sigil_screen

コードビューとデザインビューを切り替えられたり、
主要なタグをメニューから利用できたり、
ファイル一覧が左メニューにあったり。

直感的で使いやすいです。

とはいえ、やりたいことをすべてできたワケではなかったです。

諦めた事1)画像の回り込み

HTMLで言うところの”align=right”が、自分にはうまくできませんでした。
(画像の周りを囲むようにテキストを配置するアレ)

正確にいうと、classとfloatとclearの正しい組み合わせが分かりませんでした。

テキストが回り込んでも途中で次の画像に重なってしまったり、
画像が途中で切れたり、
という現象を回避できなかったため、テキストの回り込みは諦めました。

諦めた事2)テキストの修飾

イタリック体にしようとすると横書きになってしまう上に書体が変わらなかったり、
見ばえはシンプル極まりないものになりました。

スタイルシートをうまく使えば凝った事もできそうですが、スピード優先です。

忘れてた事3)目次ページの自動生成

「目次ページ作ってなかった」
と、Amazonに提出した後に気づきました。

Sigilには幸いHTML目次ページを生成する機能がありました。
が、自動生成のままでは見にくいので、スタイルシート(Styles/sgc-toc.css)とTOCファイル(TOC.xhtml)を手動で修正する必要はありました。

レイアウトを実機で確認後、Amazonに再提出することにしました。
(2014/9/10追記:その後、サンプルダウンロードができない事象が発生したため、目次ページなし版に戻しています。)

良く使ったタグ

いくつか良く使ったタグがあったので、書き出します。

■一行改行(空白行)を開ける■

<p><br /></p>

■改ページ■

<div style=”page-break-before:always;”></div>

■縦書きにする■

※スタイルシート側と、HTML側、両方に設定が必要。
【スタイルシート(Style0001.css)】
body{
font-family: “ipamp”;
writing-mode: vertical-rl;
line-break: normal;
-epub-writing-mode: vertical-rl;
-webkit-writing-mode: vertical-rl;
-epub-line-break: normal;
-webkit-line-break: normal;
}

【各HTML】
<html xmlns=”http://www.w3.org/1999/xhtml” xml:lang=”ja”>
<head>
<meta content=”text/css” http-equiv=”content-style-type” />
<link href=”../Styles/Style0001.css” rel=”stylesheet” title=”縦組” type=”text/css” />

<title></title>
</head>
</code>

■区切り線■

<hr />

■リスト■

<ul>
<li></li>
</ul>

参考にしたサイト